- 乳腺炎にゅうせんえん
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乳腺が何らかの原因によって炎症を起こす病気で、乳房が腫れて痛みが生じます。授乳がスムーズにできず母乳がたまって起こる「停滞性乳腺炎」、授乳時にできた乳首の傷から細菌が侵入して起こる「急性化膿性乳腺炎」の2種類があります。「停滞性乳腺炎」は、乳房のしこりや痛みなどの症状はありますが、悪寒や発熱などからだ全体の症状はないため、授乳を続け適切な対処をすれば改善します。
対処法としては、- ❶症状が治まるまでは、高カロリーの食事や糖分・油分はひかえた食事をとりましょう。
- ❷乳房を温めたり、自分でマッサージしたりをすることはやめましょう。入浴もひかえ、シャワー浴にしましょう。ただし、シャワーはあてすぎないように注意しましょう。
- ❸授乳間隔をあけず赤ちゃんにしっかり授乳させましょう。
搾乳のし過ぎは禁物です。 - ❹授乳時間以外は冷蔵庫で冷やしたタオルなどをあてておくなどするのも効果的です。
症状が改善しない場合や乳房の全体が腫れ、皮膚が赤くなりとても痛い、38℃以上の発熱、悪寒、からだの震えなどがある場合は、「急性化膿性乳腺炎」が考えられますので早めに受診しましょう。
- 子宮復古不全しきゅうふっこふぜん
- 子宮復古不全は子宮がもとの状態に戻らないことをいいます。いつまでもオロに血が混じったり、血の塊が出るようなら早めに診察を受けましょう。
- 痔・脱肛じ・だっこう
- 分娩のいきみで急性の痔になることは多いものです。下半身を冷やさないようにしましょう。患部を清潔にして、軟膏などで治療します。また、便秘になると悪化しやすいので、繊維質の多い食事や水分をとるようにしましょう。
- 産褥熱さんじょくねつ
- 分娩時に産道にできたキズから細菌感染し発熱します。オロのにおいが気になったり、熱が出たりしたときは、医師にご相談ください。
- 腎盂炎・膀胱炎じんうえん・ぼうこうえん
- 産後は抵抗力が落ちているため感染しやすい状態にあります。トイレを我慢しないよう、外陰部を清潔にしましょう。腰や脇腹が痛む、残尿感があるときは要注意です。
- 恥骨痛ちこつつう
- 妊娠中のカルシウム不足や、分娩で恥骨が押し上げられたことが原因で、恥骨に痛みが出ることがあります。安静にして次第に痛みが和らぐようなら心配はいりません。
- 妊娠高血圧症候群の後遺症にんしんこうけつあつしょうこうぐんのこういしょう
- 妊娠高血圧症候群になった方で、分娩後もその症状(高血圧・尿タンパク・むくみ)が出つづける場合があります。次回の妊娠でも発症が心配されますので、専門医の治療が必要です。
- 静脈血栓症じょうみゃくけっせんしょう
- 産後や帝王切開後は血液が凝固しやすく、下肢や静脈内に血栓(血の塊)ができやすくなります。血栓ができると血流が妨げられ、ひどい場合は死亡することもあります。静脈瘤のある人や、高齢、肥満の方は要注意。産後は下肢のマッサージや運動を心がけましょう。