出産編

お産の進み方 Progress of Childbirth

分娩第1期 (平均所要時間 初産婦12〜15時間 経産婦6〜8時間)
10分ごとの陣痛(発作30〜90秒)が始まり子宮口が全開大するまで

お産の進み方
子宮口の開大度(開き具合) 潜伏期1〜2cm/移行期3〜4cm
<陣痛>
不規則で生理痛のような痛みから始まることが多く、下痢のような痛みで始まる場合も。
10分ごとぐらいに痛んできたら時間を確認しましょう。
CTG(NST)は入院時につけます。その後3〜4時間ごとにつけ、その他は必要時につけます。
子宮口の開大度(開き具合) 移行期3〜4cm/5〜6cm
<陣痛>
次第に陣痛と陣痛の間隔が短くなり、痛む時間が長くなります。この頃陣痛は3〜5分ごとで40〜60秒間になります。
過ごし方
<楽な姿勢とリラックス>
歩いたり横になったり、一番楽な姿勢を工夫しましょう。
<呼吸法とマッサージ>
練習した呼吸法を行ってみましょう。
陣痛が始まった頃は緊張しないでふつうの呼吸をしましょう。
<呼吸法のポイント>
  • 息を吐くことに集中
  • ゆっくりと吐く
  • 最初と最後に深呼吸
マッサージ
子宮口の開大度(開き具合) 5〜6cm/活動期7〜8cm
<陣痛>
通常このあたりで破水します。
[破水]子宮の中で赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ中の羊水の一部が流れ出すこと。
早い時期に破水することもあります。破水すると子宮内の赤ちゃんと外の世界がつながり、細菌が入って感染をおこすこともあります。トイレの後に外陰部を消毒したり、場合により抗生物質を服用します。医師・助産師・看護師の指示に従ってください。

分娩第2期 (平均所要時間 初産婦1〜2時間 経産婦0.5〜1時間)子宮口が全開大してから赤ちゃんが生まれるまで

お産の進み方
子宮口の開大度(開き具合) 10cm(全開大)
<陣痛>
陣痛は2〜4分ごとで40〜90秒間になります。腟から会陰にかけて痛くなります。
過ごし方
<呼吸法とマッサージ>
いきみたくなったらおしりを押してみましょう!
赤ちゃんの頭や肩が出るときは
全身をリラックスしましょう!

分娩第3期 (平均所要時間 5〜15分)
胎盤が出るまで

お産の進み方
<陣痛>
胎盤が出るために、軽い陣痛のような痛みがあります。
赤ちゃんとのご対面です。
その後赤ちゃんはきれいにして、体重・身長を測ります。

分娩第4期 (分娩後2時間)
胎盤が出て入院室に戻るまで

お産の進み方
<陣痛>
後陣痛という、子宮がもとに戻るための軽い陣痛のような痛みがあります。
お母さまも赤ちゃんも落ち着いたところでもう一度面会します。
過ごし方
お産後1週間くらいは、後陣痛といって軽い陣痛のような痛みが続くことがあります。うつぶせ寝が良いこともありますのでお試しください。痛みがひどい場合はご相談ください。

スムーズな出産のために

ほとんどのお産は正常に進みますが、思いがけないトラブルが生じる場合もあります。そんなときにもあわてることのないよう、いろいろな処置や出産方法があることを知っておきましょう。
骨盤位(逆子)
赤ちゃんの頭が上、おしりが下になっている場合を骨盤位といいます。妊娠35~36週に帝王切開の予定を組んでいきます。当院では骨盤位の場合、全例帝王切開を行っています。
帝王切開
赤ちゃんの心音が低下した場合、前回帝王切開、骨盤位(さかご)、胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群などの理由で自然分娩が困難な場合に行う手術です。
分娩誘発・促進
予定日超過、前期破水、妊娠高血圧症候群、または陣痛が弱くお産が進まない場合は、薬や注射を使います。
吸引分娩・鉗子分娩
陣痛が弱かったり、赤ちゃんの状態により早く出す必要がある場合には、吸引分娩で手助けをすることがあります。
無痛分娩 ※予約制
分娩がある程度進行してから、硬膜外麻酔を行い痛みをやわらげます(別途料金)。
会陰切開
分娩時には会陰が柔らかくなり赤ちゃんが出やすくなります。しかし、会陰がかたいままだったり、急いで産む必要があるときなど、麻酔を使って切開する場合があります。
子宮収縮剤・止血処置
胎盤が剥がれた後は出血しやすく、それを収縮させるために注射をする場合があります。子宮が元に戻ろうとしますが、戻らないと出血が多くなります。そのため収縮剤を使うことがあります。